誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実 (新書y)



誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実 (新書y)
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作者の活動には頭が下がる。しかしどれだけの国民が本田氏の主張に賛同するか疑問。
済生会栗橋病院の外科部長でありながら、少ない休日のほとんどを医療崩壊の啓蒙のため講演活動、執筆に費やされている本田医師は敬服に値する。本作の内容、作者の意見におおむね賛成だが、政治家、官僚が特別会計という既得権益を手放すわかないし、残念ながら医療崩壊、焼け野が原はさけられない状況にまで来てしまっていて時間切れである.次々に産科、内科などの閉鎖、近隣の公立病院の閉鎖で仕事量が増え、現場の医師は次は自分の病院がつぶれるだろうと考え、いつやめるか選択を迫られている.情けないことに当院の院長をはじめとする執行部はいまだに今の状態で病院存続させるつもりで、病院評価機構の審査を受けたりしているが、累積赤字が100億もある病院を市がいつまで持ちこたえられるか秒読み段階だ.医師は関連大学や首都圏にもどればいいので、別に困らない。ドミノ倒しの被害者は患者であり、その加害者は国・官僚にあることを切に訴えたい.

医療崩壊の真因
 1954年生まれの現役の済生会栗橋病院副院長兼外科部長、NPO法人医療制度研究会代表理事が、2007年に刊行した警世の書。近年、医師が激務に疲れ、過労死・自殺したり退職したりするケースや、医療ミスで訴えられるケースが相次ぎ、医療施設の閉鎖・休診も頻発している。この背景には医師不足問題があり、その原因を政府は地域的偏在だと主張するが、実際には時代に逆行した日本政府の医療費抑制政策に起因する、医療関係者の絶対数の不足が原因である。日本の人口当たりの医師数は先進国の中では圧倒的に少なく、どの地域の医師数もOECD加盟国平均に届かないが、医師たちが労災認定基準を超えた労働時間をこなすことによって、世界一の医療水準を維持してきた。医療費も半分は周辺産業に流れ、病院に残る資金は少なく、国民の窓口負担が高い割に、一般勤務医の生涯所得も高くはない。それにもかかわらず、日本政府は1983年の医療費亡国論以来、現場を無視して不適切なデータの比較を行いながら、経済発展の障害であるとして医療費抑制策をとり続け(新自由主義)、医学部定員抑制、療養病床つぶし、中医協を通じた診療報酬いじりを行い、また株式会社病院・混合診療・電子カルテ・医師免許更新制の安易な導入を試みることによって、現場を混乱させている。政府はこの医療費抑制策を財政赤字で正当化するが、後者の原因は明らかに国会審議を経ない特別会計であり、無駄な公共事業である。闘う医療界のスポークスマンとして、著者は今後の高齢化社会に備えて、無駄な公共事業削減による医療費の増加、医師の増員、チーム医療の導入、医療関係者の横断的な組織づくりを訴える。現役医師が多忙な仕事の合間をぬって研究会等に参加しながら、統計データに基づき具体的に日本の医療崩壊の現状について述べた本書は、非常に説得的であり、一読をお勧めしたい。

為になる。
医師という職業の現実。
本当の姿が書かれていました。

医師・医学部生・医学部志望者
全員見たほうがいいと思います。

現役外科医の送る、一般向け日本の医療崩壊入門書。世界の主要国と比べて、日本人の命はこんなにも安く見られている!
 医療崩壊の背景要因についての分析が書かれています。内容の詳細は他のレビューに任せますが、医師の間では既に通説として、知識の共有がなされているデータのように思われました。

 私には、それが、著者の精力的な活動の賜物なのか、通説を本にしただけなのかわかりません。

 しかし、こうした事実を広く国民に知ってもらう活動はとても大事です。これ以上の崩壊を防ぐために、抜本的な政策転換、だけではなく、政策決定プロセスの改善を実現するには、全国民を巻き込んだ大規模なムーブメントが必要なのは明白です。そうした活動のために、仕事だけでも限界を超えているであろうにもかかわらず、命がけで取り組む著者には敬意を表します。

 細部については意見が分かれると思います。特に、本書では医師の増員が強調されていますが、勤務医の待遇を放置したまま、医師を増員をしても、劣悪な環境にあえて飛び込みたい者はおらず、使い捨て要員が増えるだけで解決にならないことは、よく言われています。実際に、医師の間では医師増員についての賛否は半々です。

 私は、新しい病院や機材などの無駄なハードへの投資は断じていらないし、勤務医待遇改善をきちんと実現しないままの、医師増員には反対の立場です。医師(だけでなくコメディカル、介護従事者)がいなくなるのは待遇が悪いからにほかなりません。勤務医、医療従事者、介護従事者などに、仕事に見合った報酬と十分な休息、事務的なサポート体制が用意できなければ、いくら数を育てても大量離職はなくなりません。

日本の医療へのするどい批判,しかし解はみえない
本書は厚生労働省が無理に医師をへらし,製薬会社や医療機器の会社には手厚く医師や病院にはきびしい政策を撮っていることを批判している.すこし意外だったのは,「医療を軽視する日本政府のあり方は,明治維新で決定的に」なり,現在,崩壊の危機のなかにある国民皆保険制度の導入時から医療崩壊がはじまっているという指摘である.それでは日本にどういう制度をきずけばよいのか? この本のなかには解をみいだすことはできない.





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